日本料理は、その繊細な味わいと美しい盛り付けで知られていますが、特に季節感を大切にする文化が根付いています。日本の四季ははっきりしており、それぞれの季節に特有の食材や風味があります。その日本料理の季節感をスマホで捉える方法をご紹介します。
冬なのに夏野菜の冬瓜
今回の被写体の主役である「冬瓜(とうがん)」は、その名前に「冬」が含まれているものの、実際には夏の野菜として知られています。この名前の由来は、冬瓜が収穫された後、冷暗所で保存しておくと冬まで持つことができる、という特性から来ています。つまり、夏に収穫しても冬まで保存がきくので「冬瓜」と呼ばれています。
また、「冬瓜に咲く花一つ秋の風(小林一茶)」のように俳句では「秋」の季語として使用されることもあり、名前と季節感が一致しませんが、冬瓜の旬は「7月〜10月」で最もフレッシュな冬瓜を味わうことができるようです。
POINT① 光の方向を確認する
今回の料理「冬瓜と海老そぼろあんかけ」の主役である「冬瓜」は、火を入れると透明になるので、光の反射で輝きを増す素材です。さらに出汁のあんかけがかかっているので、光の反射の加減が、美しい写真が撮るために最も重要になります。
今回は、器の左上と右下に影が落ちているので、逆光に近い左からの「サイド光」となります。
また、「海老そぼろ」も準主役となりますので、海老そぼろにも光の反射がでる配置を調整する必要があります。
POINT② 光の加減を調整する
光の差す方向と素材の反射の加減調整で最適な被写体の配置が決まったので、その状態で撮影すれば、美しいお惣菜写真を取ることができます。
さらに季節感やシズル感を増したい方は、もう一手間、光の加減を調整する方法として、レフ板を使用することにトライしてみてください。
参考までに「レフなし」と「レフあり」で撮影した比較写真をご覧下さい。
POINT③ 露出補正の調整
スマホ撮影の際、被写体が暗く感じたら、例えば、iPhoneなら明るさを変える(露出補正の調整)ことが可能なので、好みの明るさに調整してください。
光の加減、レフ使用、露出補正などを調整して撮影したカットがこちら
さらに上からのアングルカットや器を切る縁取りをしたカット
YouTubeで動画配信しています
冬瓜と海老そぼろあんかけの撮影テクニックについては、YouTube動画でも配信していますので、是非チェックしてみてください。