今回はこれまでに紹介したスマホで日本料理を美味しく撮る方法を、実際の会席料理で実践してみました。各コース料理を一品一品丁寧に撮影し、その魅力を最大限に引き出すテクニックを紹介します。
会席料理と懐石料理の違い
会席料理と懐石料理は、いずれも日本の伝統的な多品目の料理スタイルですが、いくつかの違いがあります。
会席料理は、季節の食材をふんだんに使用し、豪華で華やかな料理が特徴で、おもてなしや宴会でよく提供されます。
一方、懐石料理は、もともと茶道の席で提供される軽食から発展し、シンプルでありながら繊細な味わいと精緻な盛り付けが特徴です。
どちらも日本の美しい四季を感じさせる料理です。
【先附】豆乳ごま豆腐 焼き万願寺唐辛子 いくら 海老甘酢 焼き椎茸 青柚子 旨み出汁
「先附」は、日本の会席料理において、食事の最初に提供される料理です。これは「前菜」に似ており、季節の食材を活かした小さな料理で、食事を始める前の口を刺激するものとして位置づけられています。
どの料理も撮影テクニックの基本は同じです。
- 正面を決める
- 光の差す方向を確認
- アング(画角)を模索
- 構図とフレーミングを決める
- ピントあわせて
- 露出補正の太陽マークで明るさ調整
この1.から6.の手順を料理の特性に合わせて調整していくのが美味しい写真を撮る最適な方法となります。
先附は、添えられていたスプーンを取り除き、器に高さがあるのでアングルを斜め45°くらいにすると素材が目立ち綺麗な写真を撮ることができました。
アングルが決まれば、構図やフレーミングを工夫すればさらによい写真が撮れるようになります。
【椀物】鱧 松茸 土瓶蒸し 銀杏 三つ葉 すだち
「椀物」は、スープ料理を指します。椀物は、季節の移ろいや行事を反映した食材や形状が選ばれ、食事の進行の中で落ち着きをもたらし、次の料理への移行をスムーズにする役割を果たします。
この土瓶蒸しは、器に長い取っ手がついていますが、これをすべて構図の中に入れようとすると料理が引き立たないので、カット前提でフレーミングを考えます。
取っ手を回して、できるだけ食材に光が当たるよう配置を調整し、蓋などのアイテムも活かしながら撮影します。
【お造り】4種盛り 海老 烏賊 ハマチ 鮪
お造りは、日本料理において非常にポピュラーなもので、その新鮮さと素材そのものの味を楽しむことができる料理として知られています。盛り付けにも工夫が凝らされ、季節の花や葉を添えて、視覚的にも楽しめるよう工夫されています。
お刺身とお造りの違いは、「お造り3種盛り」の記事で紹介しているので参考ください。
今回のお造りは、器も素晴らしいものですので、それも活かせるような写真を目指すため、大胆な縁取り(フレーミング)に挑戦してみます。