彩りが多彩な箱寿司の撮影には、光、アングル等がポイントになってきます。自然光を活かし、食材の美しさを引き立てるアングルや縁取りを模索する。最も意識することは、食材が鮮やかに映るように工夫することです。今回は、箱寿司の魅力を引き立てる撮影方法を紹介します。
押し寿司 or 箱寿司?
押し寿司は、日本の伝統的な寿司の一形式で、その名の通り、木の箱や押し寿司用の専用の型(押し型)に飯と具材を層になるように詰めて作られます。
具材には、魚、海老、野菜などが使われ、それぞれの層が美しい色彩を持つことから、見た目も楽しむことができる料理です。
その押し寿司が、大阪や京都では「箱寿司」と呼ばれています。大阪の箱寿司は、多種の具材を使用して色鮮やかさを重視しています。京都の箱寿司は、マグロ、シイタケ、卵焼きなどが層になっているのと、寿司飯に白ゴマが混ぜられているのが特徴です。
日本にはさまざまなスタイルの寿司が存在します
POINT① 被写体の正面とアングルを確認
すでに何度か説明していますが、日本料理にはかならず「正面」があります。
今回の箱寿司のような彩り多彩な被写体の場合、正面を正確に捉えることが重要になります。
ゆず皮や木の芽の向きなどを確認して正面を決める
次にアングルですが、料理そのものに高さがある場合は、アングルも低・高・俯瞰などで映え方が大きく変わってきます。
高アングルや真俯瞰で撮影した箱寿司
POINT② 素材の反射を調整する
箱寿司の多彩な彩りを美しく写真に収めるには、素材に適度な反射がのるよう、光の差す方向と被写体の塩梅を確認してください。
また、取り皿をアクセントにして、主役の箱寿司がより強調されるような構図やフレーミングを試してみてください。
光の加減で箱寿司の彩りを増したカットがこちら
POINT③ 立体感を演出
最後に箱寿司のような立体感のある被写体は、側面を演出するアングルにするとさらに彩りと立体感が強調できます。
例えば、寿司を木箱からだしてお皿に盛り付けてみると、まったく違う料理のような写真が撮れます。
側面を強調したカット
側面の演出を控えめにして最適化したカット
YouTubeで動画配信しています
箱寿司の撮影テクニックについては、YouTube動画でも配信していますので、是非チェックしてみてください。