撮影において「縁取り(フレーミング)」と「構図(コンポジション)」は、いずれも写真の構造と美的品質を向上させるための技術で混同されがちですが、フレーミングは主に写真の「枠」をどのように設定するかに焦点を当て、コンポジションは写真全体の要素がどのように調和して機能するかに焦点を当てます。両方とも、視覚的なアピールと物語性を高めるためにの技術です。
カメラのビューファインダーまたは画面を通じて見える範囲をどのように選択し、調整するかに関連しています。フレーム内の主要な被写体や要素を強調し、不要な要素を排除することが目的。 | |
写真内のさまざまな要素(被写体、背景、前景など)がどのように配置され、相互に関連し合うかに関連しています。これには、色、形、線、テクスチャーなどの視覚的要素の調和が含まれる。 |
構図の種類
構図には、日の丸、二分割、三分割、四分割、額縁、サンドイッチ、三角、対角線、トンネル、放射、視線誘導、low、High等、多くの種類が存在します。
黄金比の「フィボナッチ螺旋構図」や黄金分割の「レイルマン構図」「ファイグリッド構図」といった高度なものは有名ですね。
このように構図については、多くの要素が絡んでくるので、すべてを容易に取得することは難しいので、今回は基本的なものを伝授します。
POINT① 被写体の皿が一つの場合
撮影する被写体の皿が一つの場合は、素直に真ん中に配置するのが基本です。いわゆる「日の丸構図」で撮影します。
雰囲気を増すためにフレーミングで被写体の端を切るとプロっぽい写真が撮れます。
POINT② 被写体が2つの場合
先ほど撮影した日の丸構図の「鯛の煮付け」に取り皿を加えて被写体を2つにした場合は、対角線構図にするとバランスが良くなります。
POINT③ 被写体が3つの場合
次に被写体を「生菓子」に変えて、構図の撮り方を説明します。
この繊細で美しい生菓子に、もう一つ要素を加えて3つにするなら、やはり緑茶の湯呑みが自然な感じになると思います。
また、生菓子の下に敷いている紙*のサイズも調整したほうがよりバランスが良い写真が撮れるでしょう。*敷紙(しきがみ)や懐紙(かいしき)と呼ばれています。
被写体の要素が3つの場合は、三角、直線、S字、くの字などが考えられますが、今回は「くの字」配置で撮影しました。
この構図で、アングルの高さを変えて撮影したのがこちら
さらに、縦位置で撮影すると立体感が強調されます。
構図が難しく感じてわからない場合
冒頭で説明したように構図は、多岐にわたり取得するのは難しい技術です。「難しくてわからない!」という方は、以下の2点だけ注力すれば大丈夫です。
(1)主役の被写体を手前に配置
(2)ピントをしっかりあわせる
YouTubeで動画配信しています
基礎編「構図」の撮影テクニックについては、YouTube動画でも配信していますので、是非チェックしてみてください。