日本料理の中でも、特に鮮魚の調理は高い技術が求められる芸術の一つです。その美しい魚料理をカメラに収めるのは、料理撮影の中でも一筋縄ではいかない挑戦かもしれませんね。
さて、カメラを構える前に、ちょっとした豆知識を一つ紹介します。
お刺身とお造りの違い
同じ鮮魚の切り身であるのに名前が異なるのか?
元々は関西と関東での方言の違いでしたが、現在は、「お刺身」っていうのは、魚の切り身のことをいい、「お造り」っていうのは魚の切り身を大根や大葉などの「あしらい」や魚のお頭を使って器に盛り合わせたものを称するとのだそうです。
POINT① 光の位置と主役を決める
写真撮影全般に言えることですが、美しい写真を撮るためには、被写体中で最も強調したい対象を決めることです。そして、その主役に差し込む光について考えること。
料理写真の場合、逆光や半逆光の状態が、被屋台が立体的に見えてキレイに撮影できます。
でも、お店で料理を撮影する場合は、光の状態を自分でコントロール出来ないので、自分の影が料理にかからないよう気をつけることが重要です。
POINT② 料理が一番きれいに見える正面を探す
実は、日本料理の盛り付けは立体的で、必ず「正面」が設定されています。ちゃんとした日本料理を提供してくれるお店では、料理を配膳される際には、お店の方が、料理の正面を向けて置いてくれます。
今回の題材である「お造り三種盛り」は、影が手前に落ちているので、光は1~2時方向から指していることがわかります。そして、被写体は正面に配置されているけど、ちょっとだけ、動かして3つの刺身がキレイに見える位置を探してみましょう。※後ろの徳利やお猪口も併せて調整します
POINT③ 画角を調整
被写体の主役は、鱸(スズキ)・鰆(サワラ)・魬(ハマチ)「3種類の刺身」、光は1時方向からの半逆光という状態で撮影設定をしましたが、もう一つ画角を決める必要があります。
今回のお造りは、立体感がある盛り付けですから、低い位置からの撮影だと刺身がキレイに写せません。なので、目線の高さ位の画角がベストです。
1カット目を撮影:ピントをしっかりあわせることを忘れずに
2カット目:ちょっと横側を切った構図にすると、想像も膨らむし、かっこよく撮れます
縦レイアウトなら、こんな感じです
YouTubeで動画配信しています
お造り三種盛りの撮影テクニックについては、YouTube動画でも配信していますので、是非チェックしてみてください。